ユニットバスは部分リフォームが可能だということは意外と知られていません。お風呂リフォームで検索するとほとんどがユニットバスの交換ばかりです。
ということで、「ユニットバスの部分リフォーム」について、特に今回はマンション等に多いユニットバスを交換か部分リフォームかに焦点を当てて費用の相場も含め、どちらがお得か考察してみました。
ユニットバスの部分リフォームはお得で経済的
ユニットバスのお風呂リフォームと聞けば皆さんは入れ替えをイメージされるのではないでしょうか?
もちろんそうなのですが、リフォームは部分的にも可能なんです。
大きく分けて2通りのケースがあるのです。予算が許すなら交換する。これが一番わかりやすい方法です。サイズさえ合えば、いろいろなメーカーから好きなタイプを選べますし、設備の機能をグレードアップも自由です。
もう一方は、まだ10年も使用していないのに、浴槽が汚く、この部分以外はキレイので、ユニットバスへの交換は何かもったいない感じがするケースです。こう言う事例は浴槽だけでではなく、床だけの場合や壁の場合と結構あります。
今回は交換(入れ替え)によるリフォームと部分リフォームの相場を簡単にわかりやすく解説します。
ただ、交換するか、部分リフォームをするかは、自分の所有物か賃貸物件のオーナーの立場で考え方変わりますが、今回は一般のマンション区分所有者様や持ち家の方を対象にした記事になります。
部分リフォームがお得かはケースによって違う
- 老朽化しているのでユニットバスごと交換する(入れ替える)
- 一部劣化はしているがユニットバスごと入れ替えるのは不経済(他の部分は使える)なので部分リフォームを行う
- 一部劣化があるが、上記と違って、部分リフォームでも費用がユニットバス交換より、少し安いだけなので交換する
1の場合はユニットバスがかなり老朽化して痛みが激しい場合です。
例えば浴槽がかなり劣化してひび割れがあり、艶がない場合や、壁や床にも損傷が見られ、汚れやカビがひどい場合です。全体的に劣化や痛みが激しい場合。(部分補修が複数個所があり、金額もユニットバスの交換の費用より少し安い程度の場合)
または、痛みや劣化はそれほどでは無いが、新しい設備機能を取り入れたいとき。これはわかるような気がします。浴室の設備は、日進月歩で冷めにくいバスタブやすべりにくく、乾きやすい床など、次から次へと新しい機能を持った新製品がでてきます。この欲求の場合も交換です。
2の場合は天井や床、壁、浴槽のすべてでは無いが、床とかの一部分か、壁と床や床と浴槽のように複数箇所が傷んで劣化が激しい場合です。
ユニットバスで部分リフォームをするケース
- 床のケース
- 壁のケース
- 浴槽のケース
ユニットバスの床のケース
ユニットバスで床をリフォームする場合の大きな理由は下記の通りです。
- 床の傷みや汚れが激しい場合
- 床が一部タイル張りで欠損や目地が汚れている場合
- 床がタイル張りで冷たい場合
- 床がすべりやすい場合
上記のケースは東リのバスナシリーズやパーカーアサヒ株式会社(旧アサヒゴム)のサンダインですべて対応できます。施工のしやすさでは職人さんはアサヒゴムを良く使いますが、私のお勧めは東リのバスナシリーズです。その中でもバスナリアルデザインです。
参照 東リ
東リ製品はデザイン性が優れているのがポイントです。他に床シートは接触温熱感(触れた時の温かさ)、防滑性(すべりにくさ)にすぐれているのでユニットバスで床がタイルの場合はぴったりです。
参照 東リ
リフォームは補修できたから良いというものではありません。リフォームをすることによってもたらされるメリットにも注目です。
ユニットバスの床リフォームの費用相場
1216のユニットバスの床シート貼りの場合は材工で46000円~56000円が相場です。
ユニットバスの床のリフォーム(東リ)の施工例
ユニットバスの壁のケース
- 塩ビ鋼板を使った壁にさびが出た場合
- 壁がタイルで目地等が汚れている場合
- デザイン的にアクセントで色や模様を変えたいとき
塩ビ鋼板を使った壁にさびが出た場合
古いユニットバスで壁が塩ビ鋼板でできている場合は早くて15年くらい経つと下地の鋼板が錆びて表面の塩ビシートを破ってしまいます。
その原因は壁と床の取り合わせ部分のコーキング(シール)が切れてしまい、そこから水が入ることです。それによって、鋼板上方へ水が伝わり、腐食(サビ)が起こります。
放置すると、腐食した鋼板が酸化により膨らみ、表面の塩ビシートを破ってしまいます。初期状態はニキビ状のぶつぶつが表面に見られます。放置すると穴があいてしまいます。
破れなくてもサビた鋼板から赤サビが床にたれだし、貰いサビと我々は呼ぶのですが、床まで赤黒くシミ汚れができてしまいます。こうなれば、もう洗ってもサビ汚れは落ちません。
ユニットバスでサビがでている壁の場合の対処方法は
- 専門の浴室塗装(コーティング)業者にサビ補修込みで壁をコーティング
- 壁に浴室専用材のパネルを張る
1のケースの浴室塗装(コーティング)での対処方法は、表面の塩ビシートを剥がして、鋼板をケレンしてサビの膨らみを削り、サビ止材を塗布します。
小さな穴が空く場合もありますので、1~3mm厚のFRP板で室内の幅木の要領でおさめます。その後に壁面を今の補修箇所も含めてコーティング(塗装)します。
翌日に壁の目地やサビ補修した幅木の部分の上端と下端にもコーキング材を打って完了です。
浴室塗装業者のサビ補修の方法は下記リンク先に詳しく書いています。参考にしてください。
2のケースはサビ補修を簡単に済ませて壁面にパネルを張るだけです。パネルの目地にもしっかりとコーキング材を打って完了です。
1と2とでは何が違うのかといいますと、次の費用に大きく左右されます。補修費用だけならパネルは簡単なサビ補修後に張れますので、特別な補修費用は発生しないはずです。塗装の場合は補修面の数だけサビ補修の実費がかかってきます。
私が思うには、1面だけサビで傷んでいる場合はパネルが経済的で、木目調やカラーリングを変えると、模様替えにもなります。
反対に塗装の場合は1面のみのサビがある場合でも、すべての壁面を塗装された方が見た目に違和感はなさそうです。
1面だけ塗装をすると、他の3面の光沢感が変わり(古い3面は光沢感がかなり劣る)補修後の壁が浮いてしまします。
壁がタイルで目地等が汚れている場合
ユニットバスの壁がタイルのケースは少し高級な賃貸マンションや昭和から平成にかけてよく見られました。
このタイプはリフォームが少しやっかいなケースが多いです。誤解しないでください。目地だけの塗装をする専門業者が意外と見つからないのです。
ホテル業界専門の浴室塗装業者は施工可能ですが、私は単価等専門でないのでわかりません。民間の賃貸マンションやUR賃貸のタイルの壁の浴室を見ていますが、目地塗装について、オーナー様や管理会社様から聞かれたのは1~2回ほどでした。
推測ですが、普及しないのは仕上がりが悪かったのか、単価が高かったと思っています。
壁がタイルで目地等が汚れている場合の対処法
基本的にタイル材は浴室塗装ができません。業者によってはタイル面に下地を1日かけて吹付で作り、翌日に本塗装後、翌日にコーキング等の仕上げまでと、3日間の施工で行うものですが、パネル施工と同等額以上になったり、またタイルの目地部分もへこむので対象外としました。
ズバリ、目地塗装かパネルを張るしか方法はないです。タイルにひびや欠けがある場合は、タイルの現品がある場合は良いのですが、リフォームの対象となるのが15年くらいの経過ですと、無い方が多いです。この場合は浴室専用パネルの出番です。
デザイン的にアクセントで色や模様を変えたいとき
このケースはパネルかシートの出番となります。壁のサビがない場合はシート貼りも可能ですが、シートの直貼りよりは、シートを裏打ちした浴室パネルが後々、はがれにくく、最適です。
北村産業のパロアコンフォートパネルかシーアイ化成のベルビアン等の材料がおすすめです。
廉価版では北村産業のエルクリーン。高級版ではアイカ工業の浴室セラールは化粧メラミンで硬さもあり、また光沢感もありで、持ち家の方には一押しです。
老朽化したタイル壁をアイカ工業のセラールでリフォーム
費用面からも検証してみます。
ユニットバスの壁リフォームの費用相場
上記3つのケースのリフォームの相場ですが、浴室塗装とパネル工法にわかれます。
価格の比較
- 浴室塗装壁4面価格相場¥78,000~¥100,000
- 浴室塗装壁1面価格相場¥45,000~¥65,000
- 壁パネル4面価格相場¥168,000~¥218,000(セラールを除く)
- 壁パネル1面価格相場¥45,000~¥60,000
- 壁サビ処理1面価格相場¥5,000~¥10,000
- 壁サビ処理4面価格相場¥20,000~¥40,000
ユニットバスの浴槽のケース
- 浴槽が劣化して汚い場合
- 浴槽にひび割れや割れがある場合
- 浴槽の機能をグレードアップしたい場合
バスタブのケースは大きく分かれます。交換が可能な場合と不可能な場合。
交換が可能でもユニットバスの浴槽の長めの壁が浴槽の上に乗っている場合は要注意です。最近のユニットバスは浴槽の形状がさまざまで、従来型の交換浴槽が入らない場合が多々あります。
すんなりと同一メーカーで収まるバスタブも交換手間は製品代金も含めれば20~30万円くらいするものが多いのは事実です。
このケースは価格や相場からは除外します。浴槽交換が可能なことを前提にします。
上記のリストに戻ります。
浴槽が劣化して汚い場合
FRP製の浴槽の場合は経年劣化によって、光沢感がなくなったり、また、入浴剤や溜め湯によってラインのような跡が残りやすいです。
湯垢と言った皮脂が頑固に付着している例も多々みられます。(FRP浴槽の皮脂汚れはあまりごしごしと研磨剤入りのスポンジ等でこするのは絶対にNGです。表層のゲルコートを剥がし、細かい目に見えない傷跡に汚れがたまる一方です。)
それにひきかえ、ホーロや人大製の浴槽は材質が硬いので皮脂等の汚れは材質を傷めないで落とすことが可能です。
浴槽にひび割れや割れがある場合
人大浴槽ではみられませんが、FRP製浴槽は経年劣化でひび割れが底面の四隅にでるケースが多いです。25年以上のバスタブにみられます。明らかに材質のFRPの劣化です。それ以外は夫婦ゲンカで旦那様が蹴って新しい浴槽を割ったという例も過去にはありましたが….
浴槽の機能をグレードアップしたい場合
サーモタイプの冷めにくいバスタブやお年寄りにやさしい高さの低い物、また、ホーロ等の材質違いの浴槽はユニットバスの形状に合わなくては入らない場合があります。
一番の方法はお使いのユニットバスのメーカに聞いてみるのが一番です。もしくは長年地域に密着して営業が長いリフォームショップに相談してみることです。
色々と可能なかぎりの提案をしてくれるお店を選ぶことです。簡単に”無理なのでユニットバスを交換しかないです。”というお店はNGですね!
浴槽のリフォームの費用相場
浴槽が汚れたり劣化で光沢感が無い場合は浴室塗装がリーズナブルです。
1216サイズの場合は70,000円〜90,000円でコーティングが可能です。
FRP浴槽交換の場合でも90,000〜120,000円くらいです。ただしホーローや人大浴槽は1.5倍ほどします。
それと、くれぐれも注意して頂きたいのが、新しい浴槽が入口(浴室建具)から搬入出来ない場合が稀にあります。
ユニットバスの部分リフォームのまとめ
ユニットバスのリフォームは全交換しかないと思っていた方は今後、得をされるでしょう。また、浴室に関してメーカーのサイトだけでなく、浴室専門業者も探されると良い提案をもらえます。
浴室専用のリフォーム材も日々進化しています。昔に比べてデザイン性に優れたものが多くなってきました。
このことは補修だけでなく、修理後に以前よりも、もっと見た目を良くする。言い換えれば応急処置で無い浴室リフォームが身近になってきたと言えます。劣化したユニットバスは交換を考える前に部分リフォームを視野にご検討してみてください。
コメント
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